チアリーディングなどで全国的に有名な箕面自由学園。1921年設立、今年で101年目を迎える歴史ある学校です。箕面自由学園という学校名ですが、実は豊中市にあるとご存じでしたか?そんな箕面自由学園では、高校2年生文理進学コース6クラスとクラブ選抜コース2クラスの総合探究の授業で、SDGsをテーマに取り上げており、令和4年度は学外へ飛び出して、社会を変える行動を起こす学習を行っています。
まず1学期には、1グループ5,6名で40グループに分かれて豊中市を中心としたSDGs活動を行う市民活動団体や店舗などを取材する調べ学習を実施。現在このWEBサイトの運営を受託している私たちとよなかESDネットワークも取材先との橋渡しでサポートし、生徒たちは学期末にグループごとに取材内容をまとめて発表しました。続いて2学期は新たなグループ分けをし、豊中・箕面・吹田各市の経済・社会・環境の3テーマのいずれかについて提案を考え、そのアイディアを実際に取材相手に提案しました。そして年度末には、朝日新聞のサポートを得て、1年間の成果をまとめた新聞を発行する予定。
授業の様子
学校を訪問したのは令和4年(2022年)11月24日。SDGs探究学習「Take Action Project」の一環で、生徒たちはグループごとに分かれてプロジェクトシートを作成するという作業に取り組んでいました。経済・社会・環境から1つテーマを絞り、関連する地域や社会の課題を調べます。その課題解決に取り組んでいると予想される組織(市民活動団体、自治体、事業者など)に向けて、新たな解決方法を考えて提案するというものです。
あるグループでは、自分達が住んでいる街は緑が少ないので、もっと緑や自然が多くなってほしいというテーマで話し合っていました。最初はどこから着手したら良いか迷っていた様子でしたが、それぞれの市には環境を管理している行政の部門があるということがわかり、そこに植樹の相談に行ってみたら良いのではないかという意見が出されていました。それに対して、植樹のための予算はどこから得るのか、どこに植樹したら良いか、植樹以外の方法もあるのではないかなどの議論が交わされていました。生徒だけでなく、担任の先生や取材している私たちもコメントさせてもらい、まさに経済・社会・環境の視点からプロジェクトを練り上げていく様子は、つながりを通じてS D Gsを考える貴重な機会になっていました。
大切にしている想い
令和4年度学校外にアプローチしたのは、実際の活動を自分たちの目で見て、何ができるかを考えてアクションを起こしてほしいという、先生方の考えがあったからです。総合探究担当の萩原先生は「働くうえで最も大切な協働性を身に着けることが一番の目的です」と話してくれました。これは学園の「教養高い社会人の育成」という学園の建学の精神が基にあります。コロナ禍で直接話し合えない状況で、生徒それぞれの興味に合わせたグループ分けをするなど、生徒がふだんの仲良しグループ以外の仲間と一つの目的に向かって協力し、結果を出す力を養える環境づくりを工夫してきました。
箕面自由学園高等部の総合探究授業は、生徒が成長して社会人になったときのことまで考えたものです。仲の良い同世代から飛び出してさまざまな大人と交流し、また仲間と意見をぶつけ合いながら結論を導きだし、さらに自分たちのアイディアを発信するという授業を体験した若者たちの将来が楽しみですね。
連絡先
箕面自由学園高等部
560-0056 豊中市宮山町4丁目21番1号
TEL:06-6852-8110
HP:https://mino-jiyu.ed.jp/hs/
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