お店の様子

インバウンド(訪日外国人旅行)増加の影響もあり、阪急庄内駅近くに、トイレやシャワー共用のドミトリー(相部屋)を中心とした格安で泊まれる素泊まり宿「ゲストハウス」が次々とオープンしています。

井関さんと中国人の夫の楊さんが2018年3月にオープンした「ゲストハウス日本宿屋168」は、庄内駅から徒歩2分の元パチンコ店の3階、従業員の寮を改装したゲストハウスです。インパクトのある赤いのれんをくぐると、フロントと食堂の奥にずらりと客室が並んでいます。
一見すべて同じ部屋のようですが、男女別の部屋のほか、家族などで使える男女共用部屋、出張などにぴったりなデスクのある部屋など、目的やメンバーによって選べる仕様になっています。

また、イベントルームや和室も備えており、宿泊客同士の交流はもちろん、合宿旅行や、宿泊しなくてもグループでの会議や講座といったイベントに使えます。

地域とのつながり・
伝えたい想い

「ゲストハウス日本宿屋168」は、単なる宿泊施設ではありません。めざしているのは、地域住民と外国人をはじめ宿泊客の交流を通した相互理解や地域の活性化です。

学校で中国語の通訳などをしていた井関さんは、「子どもはすぐに仲良くなれるけれど、大人も仲良くなれる場があればいいのに」と思ったそうです。そこで、豊能地域でレストランや店舗・商店街で食事や買物を楽しんだり、日本と中国の演奏者による箏(こと)と古箏(こそう)など中国の伝統楽器のコンサートといったイベントを地域の方たちと協力しながら開催。その中で豊能地域には見どころは多いのに宿が少ないことに気づき、「いつかゲストハウスをつくりたい」と、物件を探しながら、夫と京都のゲストハウスで修業しました。

そして7年と時間はかかったものの、インキュベーションセンターや豊中商工会議所のアドバイスを得ながら豊中市の空き家マッチング制度を利用したおかげで、理想の物件と巡り合えました。

オープンして1年、日本人客や欧米からの客も多く、「豊中に居ながらにして、色々な場所の話が聞けて楽しいですよ」と、さまざまな出会いを楽しんでいるという井関さん。
また、”大人が仲良くなる場”を実践すべく、食堂や共有スペースをまわって食事などをしているお客さんに声をかけたり、餃子パーティーや中国茶のイベントを開くなど、宿泊客との交流を心がけています。
そんな中、イタリア人宿泊客が「フレンドリーな対応が居心地がいい」と滞在期間を延長して約1ヶ月間宿泊してくれたことや、1週間滞在したアメリカ人宿泊客がネットの口コミで「観光地と違って、リアルな大阪を体験できる」と書いてくれたことで自分たちがめざしていることをわかってもらえた!と、感激したそうです。

オープンから1年たち、現在の課題は地域の人に知ってもらうこと。そのために、豊中各地のバルやイベントに出店したり、市民活動のグループに貸したりしているそうです。
また将来的には地域災害救援拠点にもなればと、警察等の公的機関に相談するなど、地域貢献にも積極的に取り組んでいます。

地域に開かれたゲストハウス、あなたもサークル活動や仲間との集まりに利用して、外国や他地域のみなさんと仲良くなりませんか?

取材日 2019年7月26日

連絡先

561-0831 豊中市庄内東町2-3-11 第2サンライズビル3階
☎/FAX:06-7709-1608
https://peraichi.com/landing_pages/view/hjc168
http://hjc168.jp/

【営業時間】
Check IN  15:00~24:00
Check OUT  8:00~10:30