活動内容



服部緑地の自然を育てる会(通称「育てる会」)は、大阪府北部公園事務所募集の環境ふれあいワークショップ「生きものとふれあえる服部緑地」に参加した人達のうちの有志が、2年間のワークショップとフォーラム開催の後、2003年4月に発足させたボランティアグループです。

「子どもたちが身近に生きものとふれあえる自然」を服部緑地に復元し、保全、活用することを目的として、草刈を主体にした草地の育成、ワンド*1)の掘削や泥上げなどによる水辺の整備、竹の伐採や下草刈りなどによる樹林の保全、暗いアラカシ林から明るいクヌギ・コナラの林への樹種転換*2)などの作業のほか、各種の生きもの調査(植物、昆虫、魚類、水生生物、野鳥など)、ウォーターランドのヤゴ救出や生きもの調査を利用したイベント開催など、幅広い環境活動を行っています。

NPO法人とよなか市民環境会議アジェンダ21自然部会との共催で行われたイベント(「菰ヶ池の生き物を見つけよう」)では、育てる会のみなさんが直接子どもたちと対話し、交流しながら自然の大切さを共感しあっていました。

*1)ワンド:川の本流と繋がっているが河川構造物などに囲まれて池のようになっている地形のことをいうが、ここでは、小さな池というより大きな水溜りに近いもの。

*2) アラカシは厚くて丈夫な葉っぱを冬の間も繁らせているため、その森は 暗くなり、安全上好ましくありません。また、下草や低木が育ちにく く、厚くて丈夫な葉っぱは分解速度が遅いので、植物は 多様性に劣り、昆虫なども少なく、土壌中の生きものも多くありませ ん。一方、クヌギやコナラは冬の間葉っぱを落とし、その葉っぱも薄く て分解しやすいので、葉っぱのある夏の間も太陽の光が樹の下まで届 き、下草や低木が育って植物は多様性に富むことになり、昆虫なども増 え、腐葉土からなる土壌中にも多くの生きものが棲むようになります。

伝えたい想い



花つみのできる野原、トンボやバッタの捕れる草地、メダカやトノサマガエルのいる水辺、カブトムシのいる雑木林など、昭和30年代までにはどこにでもあった自然環境の多くが私たちの周りからどんどん失われ、テレビや本やインターネットでしか生き物のことを知らない子どもたちが増えていることを代表の蒲田さんは心配しています。

バーチャルではなく、実際に自然にふれ、生き物とふれあうことがとても大切。そのために、身近な服部緑地の自然を豊かにし、子どもたちが身近に生き物とふれあうことのできる公園にしていきたいと語ります。

活動の中心となっている菰ヶ池北のエリアでは、活動当初に比べて大幅に緑が増え、生き物もたくさん棲むようになったそうです。 汗を流す作業が中心の活動であるため、活動を担う仲間がなかなか増えないという悩みがありますが、人数が減っても自身の体力が続く限り継続したい・・と話す蒲田さんの目は、キラキラと輝いていました。

取材日 2010年7月25日

 

活動日

第1日曜日と第3水曜日
(1月、5月、7月の活動日は第2水曜と第4日曜日に変更)

活動時間:通常9:30~15:00
*活動の様子は、服部緑地公園レストハウス2階に常設パネル展示中。

連絡先

代表者:蒲田拓二 〒560-0013 豊中市上野東2-19-29
Tel&Fax 06-6848-0428
kabata@tcct.zaq.ne.jp
*常時会員募集中!
(財)大阪府公園協会
服部緑地