活動内容

クリーンランド*注1)内に、2012年4月「豊中伊丹スリーR・センター(リサイクルプラザ)」が完成しました。くらしの中で出るごみがどのように処理されているのかを見学し、ごみの分別やリサイクルについて学ぶ環境学習の拠点となっており、4月~7月はほぼ毎日、豊中市と伊丹市の小学4年生が見学に訪れています。

*注1)クリーンランドとは、豊中市と兵庫県伊丹市から搬入される可燃ごみを焼却処理するごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設、焼却時に発生する余熱を利用した余熱利用施設(クリーンスポーツランド)からなる複合施設です。

見学は、オリジナルのDVD鑑賞からスタート。わかりやすく楽しい説明で、集められたごみがどのように処理されているか、ごみを出すときはどのように分ければいいのかなどを学んだあとに、施設の見学に出かけます。焼却施設では、職員が機械を操作してごみを焼却炉へ投入する様子などを見学します。そして不燃ごみや再生資源の処理施設である豊中伊丹スリーR・センターでは、大量のごみが大きな機械で運ばれる様子や、手作業でペットボトル等を分別している様子をガラス越しに見学できます。

センター内には実物の展示やわかりやすいイラスト図解など、見学者を飽きさせない演出がいっぱい。「これまでに培ったアイディアを生かして、3R*注2)を学び知ってもらえるようにつくりました」と、担当の山中さん。説明の仕方や誘導する時の声がけなども工夫されていて、小学生たちは、普段なかなか見ることのできない設備に驚いたり、山中さんの説明に感心しつつも、くすっと笑ったり、気づきウルトラクイズで盛り上がるなど、最初から最後まで興味を持って見学していました。今年度からは、養成講座を修了したボランティアスタッフが見学をサポートし、より安全に見学できるようになりました。

この環境学習プログラムを企画運営しているのは、豊中・伊丹環境政策フォーラムのみなさんです。自治会や老人会といった団体や一般の見学も受け付けるほか、春・夏・秋にはクリーンスポーツランド入館料半額券がもらえる市民向けの見学会も開催しています。また、楽しい替え歌を交えた幼稚園や保育園への出前講座なども展開中です。

*注2) 3Rとは、Reduce(リデュース:減らす)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再資源化)の頭文字をとったものです。

伝えたい想い

スタッフのみなさんは、クリーンランドの見学を通じて、市内全小学校の子ども達に3Rを伝える立場にいることをとても嬉しく感じているそうです。また「子ども達に接することができるのは、この場での数時間ですが、実際にどのようにごみが処理されているのかを見ることで、見学を終えて帰った子ども達が、各家庭にもどってごみや環境に関する会話をするなど、3Rに対する関心が市民全体に広がってくれたら嬉しい」とも話してくれました。

クリーンランドがめざしているのは、緑に囲まれた「森の中の再生工場」。「3Rの大切さを少しでも多くの人に知ってもらいたい」と、子どもや市民向けの環境学習や施設見学会に加えて、他団体や行政と連携してどんぐりの苗木を植えるなど、クリーンランドの自然空間の整備も始めています。また、2016年に完成予定の環境配慮型のごみ焼却施設での環境学習機能の構築や、クリーンランド敷地内の自然空間が、より良く整備されるよう、さまざまなことにチャレンジしていく予定です。

取材日 2012年5月

追加取材

2016年3月に、豊中市伊丹市クリーンランドに新しいごみ焼却施設が竣工し、4月に本格稼働しました。
「森の中の再生工場」というコンセプトどおり、壁面や外周、さらには屋上やバルコニーにも樹木を植えて緑化してあり、周辺環境と一体感のある施設となっています。

そして新焼却施設稼働に合わせて、環境学習のコースもリニューアル。施設内には、楽しみながら学べる見学ゾーンも新設されました。豊中・伊丹環境政策フォーラムも、見学ゾーンの設備などについて、行政や建築業者にアイディアや意見を伝えたそうです。


「見学する距離が以前より増えたので、効率的な動線などを工夫しています」と、事務局の小篠さん。ごみが収集車からごみピットへと投入される様子や、ごみピットから大型クレーンがごみをつかんで焼却炉に投入するところなどを観察できるほか、ごみ分別クイズや蒸気タービン模型、焼却炉内の様子を映像で疑似体感できる装置もあり、最新の高機能装置によるクリーン性能を追求した施設を「見て」「感じて」「心に残る」コースとなっています。

コースの最後には、京都大学名誉教授で環境漫画家の高月ひろしさんによるかわいいイラスト映像で、盛りだくさんのコースを振り返り、ごみの減量や3Rの大切さについて復習できるようになっています。
また、各所に映像による解説もあり、以前は補助的な役割のみだったボランティアが、メインとなって見学コースを回るようになりました。現在19名のボランティアが、「子ども達が何かひとつでも環境やごみのことで気づいたり考えたりしてくれれば」と、シフトを組んで活躍中だそうです。


それから、ごみが焼却されて燃え残る灰も見ることができるのですが、伺った時も灰がとてもきれいでびっくりしました。これは焼却炉の性能のおかげもありますが、小篠さんによると、市民の分別が進んで不純物の混入が減っている証拠でもあるのだとか。長年の環境学習が実ってきたと言えるでしょうね。

現在ほとんどの市内の小学校が見学に訪れているそうですが、もちろん一般の見学も可能です。私たちの家庭から出されたごみがどのように処理されているのかを見に行ってみませんか?地上10階の展望フロアからは、滑走路に離着陸する飛行機や、豊中市・伊丹市・池田市などの市街地が一望できますよ。

取材日 2017年6月1日

 

連絡先

NPO法人 豊中・伊丹環境政策フォーラム
事務局(小篠)
〒561-0806 大阪府豊中市原田西町2-2-2
豊中伊丹スリーR・センター2階 事務局
06-6841-8152  FAX:06-6841-8162
jimukyoku@toyoi-eforum.org
http://toyoi-eforum.org/
興味のある方は、お問い合わせください  

【開館日時】
月~土曜日(祝日を含む)9時30分 ~16時30分まで
個人での見学は10時~・13時半~(原則予約不要ですが、事前に電話確認をしてください。)
・10名以上の団体は1週間前迄に要予約