活動内容

2016年11月から、以前より連携関係のあるUR都市機構の関連会社JS(日本総合住生活株式会社)の協力を得て、毎週火曜日に団地集会所で開いている無料の多文化共生型子育て支援センターを運営しています。
外国人スタッフも常駐し、未就園児の親子が気軽に訪れて、簡単な体操や英語に親しむ企画、屋外での紙芝居、ハロウィーンやクリスマスといった季節ごとの行事など盛りだくさんのイベントに参加したり、用意された知育玩具や絵本に親しんだり、おしゃべりをしながらくつろげる、無料の屋根つき公園です。

活動の様子

11月21日の「プレミアム絵本DAY」にお邪魔しました。イベントは11時スタート。まずはインドネシア人スタッフのディディさんがインドネシア語で絵本を読みます。みんな、言葉はわからないながらも、ディディさんの声の様子や絵を見て、お話しを想像しながら聞いている様子です。続いて読み聞かせ活動歴16年のスタッフから絵本の選び方についてアドバイスがあり、その後はオススメの絵本の読み聞かせタイム。2組の外国人親子を含む10組ほどの就園前の親子が、時には身を乗り出して聴き入っていました。最後には簡単な親子のふれあい遊びもあり、ふだんの過ごし方のヒントになりそうなプログラムになっていました。


午後からは、子どもたちは広いスペースで手押し車を押したりと家ではできない遊びを満喫し、お母さんたちは子育てについて情報交換をしたり、リラックスした雰囲気で過ごしています。子育て経験者のスタッフが常駐するだけでなく歯科医など専門家に相談できる場もあり、「絵本の読み方について、質問に答えてもらえて良かった」という初参加のお母さんや、「天気を気にせずのんびりできるし、月1回しか開催しない団体も多いが、ここは毎週あるのがうれしい」といった常連さんなど、孤立しがちな親子にとって貴重な場となっています。

伝えたい想い

主宰するのは、1983年に発足した大阪国際文化協会(OIC)です。現在はJSあっぷるはうす(茨木市彩都あっぷるはうすも運営中)のほかに、旭ヶ丘で子ども対象のお絵かき教室と英語教室、高齢者対象の歌声カフェを運営しています。

OICは、服や家電製品など生活用品のリサイクルイベントなどによる留学生への支援や国際交流活動からスタートし、2014年までアルビス旭ヶ丘団地集会所を拠点に、「あっぷるはうす」のほか、小学生が落語や囲碁といった日本の伝統文化や英会話に親しむ「グローカルはうす」、定期的な電話で高齢者の話し相手をする「エルダーライン・りんごだより」の運営、難病や戦争など困難な境遇にある子どもに寄付するためのチャリティコンサート企画「ハッピーチルドレン」や、大阪大学やUR都市機構とタイアップして外国人研究者と同伴家族に快適な住宅を斡旋する「F-はうす」など、多彩な活動を行ってきました。


現在は活動を縮小していますが、すべての活動のベースには前理事長の高橋叡子さんが提唱してきた「心あたたかく美しい暮らし」の推進という理念があります。
「あっぷるはうす」のスタートは2002年。少子高齢化社会にもいち早く反応して、親が子育てに自信と生きがいを持ち、小さなころから異文化に触れられるような支援をめざしています。さらに高齢化の進んだ団地の集会所の利用により、老幼共生等の多世代交流(ミクストコミュニティ)および地域コミュニティの活性化にも貢献しています。
現在はお休み中の他の活動も含め、こうした社会問題にいちはやく取り組んできたOICの活動が行政のサービス拡充のきっかけになることも多かったそうです。

「あっぷるはうすも日数を増やしたいですし、できる範囲でまた活動を充実させていきたいですね」と、代表の二関さん。確固たる理念に基づいて30年以上続いてきたOICの活動が、今後も40年、50年と引き継がれていってほしいですね。
 

取材日 2017年11月21日

活動日

毎週火曜日:10:00~14:00
〒560-0082 大阪府豊中市新千里北町1丁目1番
http://jsxapple.oic.or.jp/

連絡先

特定非営利活動法人 大阪国際文化協会(OIC)
FAX:072-641-3988
info@oic.or.jp
http://www.oic.or.jp/