活動内容

阪急蛍池駅より徒歩7分。大阪空港につながる大きな通りから少し路地に入った住宅街の中の一軒家に(株)あたらすファミリーの事務所兼一時保育施設「あたらすキッズ」があります。

「あたらす」とは、代表の下田さんの故郷、沖縄県宮古島の言葉で「大切な」「かけがえのない」という意味。大切な家族に代わって、ケアマネージャー、介護福祉士、保育士、幼稚園教諭、ホームヘルパー、整理収納アドバイザー、家事・子育て経験者といった多様な経験や資格をもつ17人のスタッフが、日常のあらゆる困りごとや用事をサポートしています。

さらに「地域の中でゆるやかに、隣近所がつながるきっかけになれば」との想いで、他にも3つの取り組みを実施。1つは事務所内にあるレンタルスペース「ゆいroom」。保育付きのイベントや教室を開催し、「ここに来たら、人や情報が自然と繋がる」、そんな場所作りをめざしています。2つ目は、毎月発行している情報誌「歩こう ほたるがいけ」。蛍池でシニアや子育て世代を中心に皆が参加できる地域のイベント情報をまとめています。3つ目は、基本的に毎月第2月曜日に開催している地域食堂「あたDECO食堂」。限定30食のランチを提供。希望があれば一時保育も利用できるそうです。

 

活動の様子

5月14日に地域食堂「あたDECO食堂」にお邪魔してきました。場所は蛍池駅近くで、月曜日がお休みのラーメン屋さん「みつか坊主」。シニアも子育て世代も若者も、様々な世代が集まり、一緒にワイワイとテーブルを囲むことで、自然と会話が生まれます。

この日も大阪に就職活動に来ている学生さんから、空港を利用する中年男性、小さい子ども連れ、そして地域の住民など多様な世代が集っていました。ランチを作るのは元シェフのシニア男性。この日のために試作をし、メニューを考えているそうです。

「小さな子どもがいると、日頃はゆっくりお昼ごはんを食べることも少ないけれど、ここに来たら安くておいしいご飯が食べられるし、子ども達もいろんな人に見守ってもらえるので安心」との声も。

翌月の6月11日に訪れると、セルフサービスでいくつかのメニューからメイン料理と好きなおかずを選べる「お惣菜ランチ」に進化していました。今後も毎月ランチは何が出るかはお楽しみだそうです。

伝えたい想い

実家から離れ、2人の子育てをしながら介護ケアマネジャーの仕事をしていた代表の下田さんが、あたらすファミリーを立ち上げたのは2014年のこと。家庭では働く母として、仕事では介護の現場で高齢者支援をしている中で感じたのは、「家族を支援する人手が足りない」ということ。

産後の安静が必要な時期に調理の下ごしらえだけ手伝ってほしい、子どもの習い事への送りだけしてほしい、1人暮らしの高齢者の話し相手をしてほしい、いずれも少しの時間だけ誰かが助けてくれたら実現できます。

「メニューがあるようでない、自由な使い方ができる、それは人によってニーズが違うから。」子どもが遠方に住んでいる高齢者や実家から離れて子育てをする家族に必要なのは、そのちょっとした困りごとに手を貸してくれる人です。

下田さんがめざすのは、地域でみんなが生きがいをもって輝ける場所づくり。そのために、あたDECO食堂では「自分の畑で収穫した野菜を提供できるよ」「使わない食器があるから使って」「食堂の時間、空いてるから手伝うよ」など、ちょっとしたできることで協力する応援団を募集中。

「やってもらうだけ」ではなく、自分のできることを貢献して「ありがとう」が返って来る。それが生きがいとなり究極の介護予防につながると下田さん。世代を超えて「ありがとう」と「笑顔」に出会える、必要な時に支え合える家族や近所のゆるやかなつながりが、蛍池界隈に生まれてきています。

取材日 2018年5月14日、6月8日、11日

連絡先

株式会社あたらすファミリー
〒560-0036 豊中市蛍池西町1-20-13
TEL:06-6852-7844  Fax:06-6852-8871
info@atafami.com
http://www.atafami.com/