エコライフセミナー2011
身の回りの環境について考えよう!

講師:黒河内繁美さん(コープ自然派ピュア理事)
平成23年(2011年)11月19日(土)
13:30~15:30
とよなか国際交流センター
内容
この日は、親子参加が少なかったので、大人を中心にしたワークショップを行いました。
まずは、自然派クイズ。川の水はどこからくるのか? 肥沃な土って?などなど自然環境や食糧自給率についてなど、普段何気なく聞いていながら、なかなか答えられない内容について、質問に答えていきました。
水に対するイメージが少しできたところで、各テーブルに水が配られました。
「おいしい水は?」というテーマで、お互いにイメージを出し合います。
冷たい。透明。臭いがしない。安全・・・などなど。グループ間でどんな意見が出たかを共有。水というと「川」だけをイメージしがちですが、実は地下水も大切な水源であることを学びました。
その後、川が描かれた画用紙が配られました。まず、「理想の自然環境」を川のあるマップに描いていきます。花が咲いて、自然が豊かで、水がきれいで川で遊ぶことができる。鳥も魚もいるよね・・・ところがそのマップに、講師の黒河内さんが「産業廃棄物」や「工場」など・・・豊かな自然環境を壊すような、開発をどんどん加えていきます。最後には、原子力発電所も。
参加者同士、ショックを受けながらも、これが今の私たちのくらしの現実であることに気づかされます。
マップが埋まったところで、全員集まって発表。生物多様性や環境破壊について、参加者同士で白熱した議論が交わされました。
最後に黒河内さんより、自然環境も含め、私たちのくらしの全てのことが循環しているというお話しをいただき、その中でも「水」がとても大切な存在であることを教えていただきました。
担当者の感想
大人ばかりのワークになりましたが、お互いにじっくり考え意見する時間を持つことが出来ました。イラストを切ったり貼ったりする作業では、参加者の皆さんがとても楽しく和気あいあいと進めていたようです。マップづくりのワークを通じ、普段何気なく生活している中で、産業の開発をあたりまえのように受け止めてしまっている自分に気づかされました。水はどこからくるの?おいしい水は?簡単そうで意外に答えられない質問の数々。今の生活を改めて見直し、くらしの中から実践できる環境活動について、多くの気づきを与えていただく機会となりました。
参加者の感想
- ペットボトル一本の水から世界が見える!すごいです。一つ一つの問題についての意識はあっても、全体を見れていなかった。自然は全て循環している。人のエゴで自然を失うのではなく、自然調和、共生できる世界をめざせれば・・・。
- “水”からいろんな環境の話が聞けて、もう一度“考える”ことが出来た時間でした。
- 先生のワークの導き方は、昔のそのままの自然が、人間によって変えられてしまったという変化の過程がよくわかるものでした。私は昔の里山の自然を目にしたのは学校行事でくらいしかなく、ずっと市街地で暮らしてきましたが、やはり自然が失われていくのをワークのなかで見るのは辛かったです。しかし、これが現実で、この自然破壊のうえに私たちの便利な暮らしがあるということを認めざるを得ないことが悲しいです。バイクも電車も携帯電話もインターネットもコンビニも本当に便利で、それらに依存して慣れきってしまっているので、事実、私は手放せません。私は自然いっぱいの環境を守りたいと思うけれど、便利な生活を諦めたくない…という矛盾に突き当たりました。そして、「どうしてこんな世の中になったのか」という根本的な問題も考えました。その原因は産業革命、資本主義経済の発展、エネルギー革命、人間が知的生物であるが故の技術発達など、つまり「○○開発」が考えられますが、これらに怒っても仕方ないとわかっています。「昔の自然に戻ろう」というのは、今やもはや不可能でしょう。でも自然は守りたい。だから、「持続可能な開発」とESDが登場したのだなと、改めて実感しました。
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