活動内容

キャッチコピー「え?!豊中でもレモンを作ってるの?」のフレーズが印象的な豊中こどもれもねいど。豊中魅力アップ助成金事業(※)の助成を受けて2016年の夏から本格的な活動をスタートしました。豊中産レモンを使って子ども達とレモネードを作り、販売した収益の半分を子ども達のお給料、もう半分をチャリティ寄付として地域に還元する体験学習プログラムです。

豊中こどもれもねいどのキャラクター缶バッジを購入してファンクラブに入れば、通年でいつでも好きな時に活動に参加できます。参加する子ども達にとっては普段なかなか体験することができない畑作業や販売体験をする機会に、協力する農家さんにとっては子ども達に農家の仕事や農地の魅力を伝えてファンを作る機会になる、お互いに「ありがとう」が生まれる取組みです。

活動の2年目からは、豊中産の野菜を市内のお祭りなどで販売するこども八百屋「八百子(やおこ)」や、みんなで畑の土づくりから行う「れもねいど農園」、れもねいど農園を会場に、自然や音楽と触れ合う「れもフェス」、レモネードを作った後に残るレモンの皮を銭湯で活用し、風呂上がりにレモネードを飲む「豊中れもん温泉」、豊中こどもれもねいどのキャラクターグッズを販売する「れもねい堂」など、「地域農業×子ども」をキーワードに楽しい企画がどんどん発信されています。

※平成29年度豊中魅力アップ助成金事業
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/miryoku/brand/miryoku-up.files/H29houkokusyo.pdf

活動の様子

8月4日(土)の豊中まつりで、「八百子」を出店するとのことでお邪魔してきました。ただ野菜を売るのではなく、野菜にヒモを付けてひっぱってもらう「野菜くじ」(1回100円)が商品です。野菜は豊中市農業委員会事務局や市内農家さんから仕入れているとのこと。

出店場所に近づくと、「野菜くじいかがですか~。1回100円です。はずれなし!1等はスイカです!」と元気に呼び込みをする声が聞こえてきます。手に持っている看板は、子どもたちによる手作りのもの。野菜くじの準備、呼び込みなどの販売、接客、お金のやり取り、そして片付けまで子どもたちが主体となって進めていました。

当日に初めて出会った異年齢の子ども達ですが、自然と年長の子が年下の子にやり方を教えながらリードしていきます。大人は自分の子どもも他人の子どもも関係なく面倒をみています。参加した子どもからは、「最初は恥ずかしかったけど、楽しかった」、参加した大人からは、「一緒に汗をかいて、活動したらすぐに仲良しに。夏のよい想い出になりました。」「親以外の大人に言われた方が、素直に聞けて、普段は甘えてできないこともできるようになっていました。」といった声がありました。

伝えたい想い

豊中こどもれもねいどを主宰する上芝さんは、喫茶店の経営をしている2人の子どものお父さんです。この活動を始めたきっかけは、子どもたちがお店屋さんごっこをしているのを見たことだそうです。子どもたちによるれもねいどスタンド実現のために市の農業委員会事務局を訪ね、実際に農家の方に話を聞きました。そこで、60才は若手と言われるほど高齢化が進んでいること、高齢化で農地を手放すこと人が増えて、農地が荒れたり、少なくなったりしていること、名産がないために地域農業が発信されず、悪循環に陥っているということを実感したといいます。この「高齢化・農地の保全・地域農業の発信」の3つの課題解決を子ども達と一緒にできたら、おもしろいのではないかと考えたそうです。

わくわく楽しい活動の根底にある想いは、とても真面目で真剣なものです。しかし、真面目な課題にまじめに取り組むだけでは、人は集まって来ません。学生時代にバンド活動をしていた上芝さんは、「いかに楽しくするか」を考え、真面目な活動を楽しくプロデュ―スしました。

楽しい思い出は愛着となり、大人になった時に、自分事(ワガゴト)となります。小さい頃に農作業をした思い出の土地がなくなることになったら、きっとそこに携わった子どもたちはその土地を残すために動き出すことでしょう。

そして、もう一つ大切にしていることは、「体験内容を簡単にしないこと」。例えば、トラクターなどの機械を使えばすぐにできる畑の開墾作業も、最初はあえて手作業で行ったとのこと。苦労して、すぐにできない方が、そこに応援する人・協力する人が集まり、共感とストーリーが生まれるのだそうです。そのストーリーもSNSなどを活用して積極的に発信しています。「ゆくゆくは、地域ごとに自主的な活動が生まれたら…」と上芝さん。これからも豊中こどもれもねいどの活動に目が離せませんね!

取材日 2018年8月4日、17日

【後日追記】
豊中こどもれもねいどは3年間の活動を今期で一旦終了されるようです。 こどもと地域の関わりや地域農業など、今後も様々な形で発信されるようなのでHPなどで確認してみてくださいね。
https://peacock64.com/post-8921/

連絡先

豊中こどもれもねいど
info@peacock64.com
https://peacock64.com/category/toyonaka-kodomolemoneid/