豊中駅から徒歩10分。バス通りに小さな畑があります。ここは、隣の建物で活動する「NPO法人つながるいのち」が運営する子ども農園です。つながるいのちは、月1回農園での農業体験と子ども食堂「つながる食堂」を開催するほか、様々な事業を実施しています。
活動内容
本町に事務所を構えて60年にわたって道徳教育に携わってきた財団が、老朽化した事務所建物のリフォームを機に「地域の方の居場所に活用しよう」と2020年にNPO法人を設立。ダンス教室などができる鏡張りの部屋などを設えるとともに、敷地内にできた空きスペースには、食育のための子ども農園をつくりました。また、プロ棋士である都成竜馬七段による将棋教室や大阪大学の講師から勉強を教えてもらえる自習室・学習支援室、七夕など季節ごとのイベントなども開催しています。
活動の様子
7月のつながる食堂の取材にうかがったところ、子ども農園でのピーマンやトウモロコシの収穫後の工作タイムでした。子どもを中心に、ボランティアの陶芸家の先生が用意されたマスコットに、思い思いに色を塗っていました。
全員が色を塗り終わったら、子ども食堂がスタートです。大人も子どもも、さっき収穫した野菜が入ったカレーとスイカを、わいわいと食べていました。その中を、副理事長の松田さんをはじめとしたスタッフが「お元気ですか?」など、参加者みんなに声をかけているのが印象的でした。
お孫さんと参加していた男性は、「都会で普段できない体験をさせてもらえるのがいいね」と、同団体のいろいろなイベントにお孫さんと参加しているそう。3人の子どもと一緒の母親からは「子どもを自由にさせてくれるのがいいですね」という声も聞かれました。松田さんによると、子どもの居場所事業「いこっと」に登録することで、高校生のボランティアが来ることもあるそうです。老若男女、地域のいろいろな人が気軽に集える場になっていることがうかがえました。
地域とのつながり・伝えたい想い
気になる普段の畑のお手入れですが、なんと、子ども食堂に参加している親子や、子ども食堂を開きたいという目標を持つ夫婦など、すぐ近くの住人が毎日水やりをしてくれているそう。どちらも「いつ来ても、みなさんが笑顔で迎えてくれるので居心地がいい」と口を揃え、同団体のあたたかい雰囲気が、設立からわずか3年にもかかわらず、地域で受け入れられている理由のようです。
めざしているのは、「貧困や虐待、認知症など問題を抱えた人をはじめ、地域の誰もがいつでも気軽に寄ることができる居場所」です。「多世代」「環境」をキーワードに活動を展開しており、今後は高齢者が子どもに料理を教えるイベントなども考えているとのこと。
さらに9月には他団体と連携して不登校児を支援するフリースクールを開講予定と、これからの活動が楽しみです。
「気楽に近所で土に親しみたい」「学校生活になじめない子どもを知っている」「ちょっと誰かと話したい」といったときは、つながるいのちへ行ってみませんか?
(取材日 2022年7月16日)
連絡先
NPO法人つながるいのち
住所:豊中市本町7丁目4-23
tel:06-7166-1166
(担当直通:永見)070-8402-9841
mail:mail@tunagaru-inoti.or.jp
URL:https://www.tunagaru-inoti.or.jp/