お店の様子
曽根駅の改札を出て国道沿いを歩いていくと、木で作られた看板にえんじ色の日よけの小さなお店が見えてきます。このお店は、『ふるさと広場曽根店』。自然食品を専門に扱う関西よつ葉連絡会(*1)のお店です。店員さんの優しい声につられて店内に入ると、そこにはあたたかみのある照明に照らされた、たくさんの食材が。大型スーパーでめったに目にすることのない野菜やお肉、乳製品など、色とりどりの食べものに目を奪われます。
今回は、『ふるさと広場曽根店』の店長にお話を聞きました。
『ふるさと広場曽根店』は、生産・流通・消費における、人と人との信頼関係によって安心な食品が生まれるという考えのもと、農薬や添加物を極力使わずに生産した有機食品を扱っているお店です。自前の農家や工場を持ち、販売スタッフも提携農家に直接体験に行くなど「もの」(食べもの)を作る苦労と喜びを体験することで、消費者に農業の問題、世界の問題を考えるきっかけを提供しています。また、季節ごとの体調管理に役立てたい自然食品も取り扱っています。
実際、曽根店の店内には無農薬野菜や遺伝子組み換え食品でないことはもちろんのこと、フェアトレード(*2)の食べものも並んでいます。販売棚の近くには農家さんの顔写真やコメントが書かれたポスターがはってあり、農家さんの考え方が伝わることで、安心して購入することができます。また、商品の説明が詳しく書かれたポップには、薬効やお店の人の声が書かれているので、お客さんは知らなかった情報も手に入れることができます。
『ふるさと広場曽根店』の活動は、店内だけにはとどまりません。年に数回行われる「野菜づくり教室」や「工場CLUB」では、子どもから大人まで、提携している農場や工場を見学し、実際に食べものをつくることができます。生の体験を通して、食の安全性を学ぶことで、一人ひとり当事者意識をもって食の問題を考えるきっかけづくりをすることが目的です。
ちなみに、店長おすすめ食材は「お肉」。大型スーパーで売られているお肉は、牛や豚が病気にならないように薬を与えて育てているので、どうしても味がおちてしまうようです。しかし、ふるさと広場で取り扱っているお肉は、意図的に育てる動物の飼育数を減らし、栄養価の高い餌を与えることで、薬なしでも病気にかかることを防いでいます。そのため、お肉本来の濃厚な味を楽しむことができます。
地域とのつながり・
伝えたい想い
店長が一番伝えたい想いは、人と人とのつながりの大切さ。生産者の方々とお客さんとは数世代にわたるかかわりがあり、家族のような付き合いがあるそうです。また、日ごろからお客さんとのコミュニケーションを欠かさず、時には30分以上立ち話をすることも。日頃からお客さんに寄り添った対応を心がけているためか、常連さんからは「ふるさとさんだから、普段聞けないことも聴けるわ」といった嬉しい声もあるそうです。
この関係があるからこそ、お客さんのニーズをすぐに生産者へ伝え、より安心でおいしい食品を届けることができるのだといいます。いつでもどこでも食べ物を買える時代だからこそ、対面での信頼関係を大切にしていくことで、目には見えない安心という価値を届けているのだと感じました。
いろいろなものが当たり前に手に入る今だからこそ、『ふるさと広場曽根店』で、もう一度、食の安全性を見直してみませんか?
*1)関西よつ葉連絡会とは:自前の農場と工場を持っていて、供給を受けるだけの単なる消費者団体ではなく、自らも「生産」活動に参加することで農業の問題、世界の問題を考えることを目的として活動している組織です。詳しくは→https://www.yotuba.gr.jp/renrakukai.html
*2)フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。(出典:フェアトレード ジャパン)
取材日 2020年8月2日
連絡先
〒561-0802
大阪府豊中市曽根東町1丁目10−24
TEL:06-6857-4039
URL:https://www.yotuba.gr.jp/shop/sone-2.html
【営業時間】月~土 10:00-19:00 日 10:00-17:00