豊中市の最南端、二葉町にある老人ホーム「淳風とよなか」。その1階には、地域の人たちが交流できるスペース『夢日記(愛称:ゆめにち)』があります。白を基調とした清潔感漂う建物に入り、夢日記の入り口をくぐると、そこにはあたたかみのあるフローリングに大きな窓が特徴の開放的な空間が。ゆっくりおしゃべりができる机と椅子、子どもたちが安心して遊ぶことのできるキッズスペース、さらには本格的なキッチンが完備され、心が落ち着く優しい雰囲気が漂っています。
今回は、そんな地域交流スペース『夢日記』の活動について施設長の山本さんと職員の井上さんにお話をうかがいました。

活動の様子

『夢日記』は、地域密着型特別養護老人ホーム「淳風とよなか」の1階に2019年にオープンした新しい施設です。地域の人々の夢がかたちとなり、それらの夢が綴られる場所を願って『夢日記』と名付けられました。
山本さんによると、『夢日記』の活動が始まったきっかけは、施設の前にある公園での子どもたちの様子からだそう。
「冬の寒い日に、子どもたちが夕方の薄暗い中、遊具の中で震えながらゲームをしていました。この様子を見て、それならあたたかくて安心な部屋を使ってほしいと思い、活動を始めました。」
このような想いから始まった夢日記は2020年9月現在、約30人の子どもたちが利用登録をして、放課後に宿題やゲームをしに来ています。
さらに活動の幅は広がり、地域の人たちの親子料理教室やサークル活動など、年間を通じて多くの活動に利用されています。

山本さんは、「将来的には、小さい頃に淳風に来ていた子どもたちが小学生、中学生…と大人になっていく日常の中で、高齢者の人とつながり続ける、そんな空間にしていきたいですね。」と話してくれました。

大切にしている想い

活動で大切にしていることは、「施設をブラックボックス化しないこと」です。ブラックボックスとは、“施設の中でどのような活動をしているのか分からない状態”のことを指します。福祉施設は、介護というサービスの特性上、一般の人には実際に何をしているか分からない場所となる傾向があります。そのため、地域の人にとっては行きにくく、利用者の方にとっては身近なつながりが隔絶されてしまうという問題が起こりがちです。
山本さんは、「高齢者と地域の人との交流が特別なものではなく、日常でなくてはならないと感じています。地域の人が高齢者施設に遊びに来るハードルをいかに下げられるか、そのために地域に出て住民の方と関わっていくことを大切にしています。」と話してくれました。

実際に、淳風とよなかのスタッフの皆さんが地域の消防訓練に参加するなど、主体的に自治会と関わっているそうです。この関係性があるからこそ、地域の人たちの困っていることや希望を知ることができ、より地域に根差した活動ができるのだと感じました。

現在は新型コロナウイルスの影響で、活動もなかなか思うように進まない日々が続いているようです。しかし井上さんは、「この間に夢日記の周知や地域で活動をされている団体さんと新たに連携をしながら、コロナが明けたときにもっと素敵な場所にできるように頑張っていきたい。」と前を向いていました。

老人ホームのなかに「地域と交流する日常」をつくる。淳風(じゅんぷう)とよなか『夢日記』の挑戦はまだ始まったばかりです。

取材期間2020年9月30日

連絡先

特別養護老人ホーム淳風(じゅんぷう)とよなか
〒561-0825 大阪府豊中市二葉町2丁目4−5
T E L 06-6335-0785
F A X 06-6335-0786