子どもも親も安心できる居場所を

5月の第2土曜日。岡町駅から歩いて5分の場所にある桜塚公園(通称ぞうさん公園)は、たくさんの子どもたちでにぎわっていました。この日は月に一度開かれる『おかまち子ども食堂』の開催日。子どもたちの元気な声につられて公園の中に入ると、そこには赤色のエプロンに身を包んだスタッフの皆さんが鬼ごっこをしたり、お弁当の準備をしたりしていました。
今回は、そんな『おかまち子ども食堂』を運営されている高山さんとスタッフの皆さんにお話を伺ってきました。

活動の様子

『おかまち子ども食堂』は毎月第2土曜日に桜塚ショッピングセンター2階または桜塚公園で開催されている子ども食堂※1です。大阪府北部コミュニティーカレッジで地域福祉を学んでいたメンバーが地域の子どもたちのために何かできないかと考えたことがきっかけで活動がスタートしました。55回を迎える現在は20名ほどのスタッフが関わり、手作りの料理を無償あるいは格安で提供したり、子どもたちが遊べる居場所をつくったりしています。

2020年度からは新型コロナウイルスの影響で屋内での子ども食堂開催が難しくなったため、地域への貢献もかねて、屋外で地元のお店に依頼したお弁当の配布を行っています。地域のお店も「子どもたちのために何かできたら」と、栄養たっぷりの豪華なお弁当を用意してくださるそうです。
取材日に用意されたのは、桜塚商店街でお店を出しているペルー料理店が調理したお弁当。大きなチキンに色とりどりの野菜が添えられ、おもわず目を奪われます。また、お弁当配付の前後にはスタッフの皆さんが公園に来た子どもたちと、「輪回し」や「しっぽ取り」など様々な昔懐かしい遊びを楽しんでいました。子どもたちも普段外で遊ぶことができないせいか、日ごろのストレスを発散するかのように公園の中を駆け回っていました。毎月来ているという小学校5年生の女の子に話を聞くと、「年の違う人と遊べるのが楽しい!」と笑顔で答えてくれました。

さらに、『おかまち子ども食堂』では、「子どもスタッフ」という特徴的な制度があります。「子どもスタッフ」とは、子ども食堂に来ている子どもたちが運営スタッフに仲間入りできるというものです。子どもスタッフの仕事は、お弁当の配布を手伝ったり、低学年の子どもたちと遊んだりと大人のスタッフの仕事と遜色ありません。子どもスタッフの一人は、「今日はコマのひもを巻くのを手伝いました。低学年の子と遊べるのが楽しいです。」と嬉しそうに話してくれました。

大切にしている想い

おかまち子ども食堂のスタッフの方々が大切にされていることは、『おかまち子ども食堂』を「子どもも親も安心できる場所にすること」です。核家族化が進み、地域とのつながりが希薄になっている近年、子どもたちは外で思いっきり遊ぶことが少なくなり、保護者の方々は育児や仕事に追われ、親子ともにほっと一息つく暇がありません。そんな中、子ども食堂に来ることで子どもたちはたくさん遊ぶことができたり、保護者の方がゆっくりお話できたりする機会の提供を、スタッフの皆さんが一丸となって目指されていました。実際に保護者の方にお話を伺うと「ご飯を毎日作るのが大変だけど一食作らなくなるだけで気分がすごく楽です。子どもたちがこうして集まれる場所も少ないのでとても助かっています。」と嬉しそうに話してくれました。スタッフの皆さんの想いが、来ている皆さんにしっかり伝わっていました。

コロナの影響で様々な活動が制限される中、『おかまち子ども食堂』の皆さんが工夫しながら安心できる居場所づくりを行っていることが印象的でした。皆さんも、『おかまち子ども食堂』でほっと一息ついてみませんか?

※1 「子ども食堂」とは、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂のことです。
出展:NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
https://musubie.org/kodomosyokudo/

(取材日 2021年5月8日)

活動日 第2土曜日11:30~14:30

連絡先
(高山)taka707@apricot.ocn.ne.jp
電話  090-4287-7568
https://www.facebook.com/okamachikodomosyokudou